「木こりのろうそく」って何ですか?
靴家さちこ

サンタクロース村メルマガ読者の皆様、Moi!フィンランド在住ライターの靴家さちこです。ついに12月が来ましたね!フィンランド北端の自治体ウツヨキでは、カーモス(極夜)という、夏の白夜とは真逆に、お日様が52日間昇らない自然現象が始まりました。南部の首都圏でも十分に暗い気がするのですが、それでもどんなに短くても5時間は日照があるので、全く未知の世界です。在住14年でもまだ知らないことばかり。そんなミステリアスなフィンランドから、また一つ、実は日本の方から教えていただくまで知らなかったフィンランドの「木こりのろうそく」の謎に迫ってみようと思います。
まず「木こりのろうそく」とは、フィンランド語では「jätkänkynttilä(ヤトカンキュンティラ)」、英語では「Lumberjack’s Candle(ランバージャックス・キャンドル)」と呼ばれるもので、丸太に十字の切れ目を入れ、隙間におがくずやを木のチップを入れたものに点火するアウトドア用のキャンドルです。「え?何それ?」と早速“jätkänkynttilä”で検索てみると、Googleが提示するサイトや画像は、ロヴァニエミ市にあるヤトカンキュンティラという同じ名前の橋の情報ばかり。謎は深まるばかりです。
しかも、フィンランドのものと言うことは、他の北欧国、特にスウェーデンでも同じようなものがありそうな、いやあるに違いないと思って調べたらと、早速出ましたよ!その名も「スウィーディッシュトーチ」。もう名前からして「スウェーデン発祥のもの」と宣言されている。しかしどうも、どこが発祥ということはないらしく、フィンランドでもスウェーデンでもカナダでも同じようなアウトドアキャンドルの発想があり、それぞれの国で同じように使われているとのこと。しかも十字の切れ込みを入れるにはチェーンソーが必須なのだそうで、そんなに大昔からある伝承のものでもないようです。さらには、スウィーディッシュトーチなのに、スウェーデンよりフィンランドの方がよく使われているらしいという情報も仕入れました。

フィンランドで最も一般的な「木こりのろうそく」は、ケロホンカの丸太を下に10~15㎝残して十文字にチェーンソーで切れ目を入れたもの。丸太の大きさや風の強さにもよりますが、1時間半から3時間ほど燃え続けるのだそうです。
より小型なもので穴あきタイプのろうそくもあります。穴あきタイプは直径3センチほどの穴を、丸太の上から2/3ほどの深さまで掘り、さらに横からやや斜めに空気孔もあけます。火はこの空気孔からつけます。この形だと、炎が丸太の上に向かって美しく燃え上がります。この形状でも1時間半から3時間は燃え続けるそうで、こちらは少し新しいイノベーションであるらしく、メーカーが誇らしげに紹介してくれました。
このように二つのタイプがあるのですが、いずれもドラマチックな炎が美しいだけでなく、焚火のように暖を取る道具にもなる優れもの。寒い北国で森林業にたずさわる人たちの暮らしの知恵が形となったものです。南部でも、例えば昨年のフィンランド独立100周年をお祝いする場面であちこち使われたようですし、今年もクリスマスに庭を照らし出すデコレーションアイテムとしてスーパーマーケットに陳列されています。日本でもAmazonなどのウェブショップで販売しているようですね。さすが日本です!私も試してみましょうか?これを庭で炊いてサンタさんをお迎えすれば、それはもう、ドラマチックなクリスマスになることでしょう。
それでは皆様「Iloista joulunodotusta(イロイスタ・ヨウルンオドトゥスタ=クリスマスをお楽しみに)!」 







