サンタクロース村メールマガジン読者の皆様、Moi(こんにちは)!フィンランド在住ライターの靴家さちこと申します。
フィンランドではヘルシンキから35キロのところにあるトゥースラに、フィンランド人の夫と10歳と6歳の息子達と暮らしています。ご縁があって、サンタクロースの国フィンランドから旬な話題を発信させていただいております。
今回のテーマは、Vanhenpainilta(ヴァンヘンパインイルタ=保護者会)です。フィンランドでは新学期が8月の第2週目ぐらいから始まり、一通りクラスが落ち着いてくる8月の末から9月上旬までに保護者会が開かれます。保護者会は保育園から高校でもありますが、我が家では私が代表して、5年生の長男とプリスクール生の次男の教室まで足を運びました。
次男のプリスクールは、去年まで通っていた保育園の中の教室にあります。プリスクールの中には、学校施設の中のものもあるので、今まで通っていた保育園を卒園して、新しい環境で就学前教育を受ける子ども達もいます。教室の中で待機していたのは、園長先生、園内のクラスを巡回して支援が必要そうな子どもの観察をする特殊教員とクラスの先生と保育士さんが二人。紅茶とプッラ(菓子パン)も用意してあって、仕事先から直行していた私は心の中でガッツポーズを決めました(コーヒー党のこの国では、通常コーヒーが出されます)。
ところが……肝心の保護者が来ません。数十分後に「すみません、遅くなりまして」と母親3人が入ってきました。プリスクールの生徒は15人だというのに保護者がたったの4人。園長先生は「毎年少ないけど今年も少ないわねぇ」と苦そうな顔をしました。担任の先生が「2週間も前にお知らせしておいたのに」と怪訝な顔をすると、保護者の一人が「また1週間前ぐらいにリマインドしてくれないと。私だって今日娘に言われなかったら忘れるところでした」とご回答。これには驚きました。
最初に園長先生が、今年から変わった保育料(プリスクールは、全国どこでも完全無料ですが、このプリスクールは月~木曜の午後14時までなので、金曜日も含めて、保育料を払って子どもの延長保育を申請する家庭がほとんどです)の説明をして、特殊教員が近年の同じ学齢の子ども達の傾向や特殊教員の役割などについてお話すると、それぞれ退席していきました。
後半は紅茶とプッラをつまみながら、担任の先生や保育士さんたちとクラスの子ども達の様子について話しました。先生方からはとりたてて家で何か指導してください、しつけをしてくださいという要望も無く、「持ち物に名前を書くのを忘れないでください」とだけ言い渡されました。
ちなみに、別のプリスクールに息子さんを通わせていたフィンランド人の友人に聞きましたが、こんなに集まりが悪い保護者会は珍しいそうです。しかしそちらのプリスクールでは、予算不足で本来無償で提供されるはずの教科書(20ユーロぐらい)が有料だったということで、友人は憤慨していました。これもまた大変まれなことですが、いやはや……地域や教育施設によっていろいろ違うものなのだと改めて考えさせられたことです。
続いては長男のクラスの保護者会。北欧の国は男女平等の思想が進んでいるので、保護者会にも父親が半分ぐらい来ているのかと思われるかもしれませんが、先のプリスクールなどは母親だけでしたし、こちらでも出席した父親は全体の2~3割ほどでした。新しい担任の先生が自己紹介をすると、早速議題となったのは、今年の遠足と来年に控えているLeirikoulu(レイリコウル=スクールキャンプ)の内容と資金繰りでした。
小学校の保護者会は、こういったクラス運営の議題が定番です。長男はこの学校には3年生の時に転校してきたのですが、一学年が2クラスで1年生の時からずっと持ち上がりで来たクラスだけあって、保護者同士も全員顔見知りでわきあいあいとしています。レイリコウルについては、オーランド諸島や海外まで幅広く討議されましたが、結局児童達に決めさせることで落ち着きました。そしてその資金集めには、生徒用に学校でディスコを開催することに決まりました。4年生の時にも一度ありましたが、この年齢でディスコ……マセてますね。とても楽しそうです。
以上、フィンランドの教育施設の保護者会とはこのような感じですが、ちなみにこの時期に育児情報誌で話題になっていた記事のタイトルには『保護者会?誰も知らないし、恥ずかしいし、行って何をすればいいの?!』というものが付いてました。「えええ?そんなの、行って、自分の子どものクラスメイトの親たちと知り合うチャンスじゃない?」と鼻から息を吹いた私ですが、確かにもう知り合いの人達は知り合いで、知らない人は知らないままで終わってしまう会でもありますので、なんだかわからない気がしないでもありません。フィンランド人の夫もあまり乗り気ではなく、「僕が子ども達を見ててあげるから」と私の背中をプッシュするのですが……本当にシャイですよね、フィンランド人って。
ちなみに、保護者会でフィンランド人の親が必ずすることって何だと思いますか?自分の子どもの机のふたを開けてみることです。「うわ、きったない……!」「あら、思ったよりキレイ」「だめだこりゃ」などなどといろいろな反応があって面白いのですが、長男が一年生だった時の保護者会では先生が白い紙を用意してくれて、我が子宛てにお手紙を書いて机の中に入れました。これは良いアイディアだと思ったので、私は保護者会の時にはいつもひらがな多めの日本語で長男の机の中にお手紙を入れるようにしています。「かいとくん、だいすきだよ」とか「ママです。きちゃいました」。などと書いて。
【ムスティッカピーラッカ(ブルーベリーパイ)の作り方】
【材料】(直径24cmタルト型)
《生地》 バター100 g 小麦粉160 g (お好みでアーモンプードル20g) ベーキングパウダー小さじ1 砂糖 50g 塩ひとつまみ 卵1個
《フィリング》 ブルーベリー200g 無糖ヨーグルト300~400g 砂糖大さじ2 バニラエッセンス数滴 卵1個
【作り方】
1)無糖ヨーグルトを数時間から一晩水切りする。(水切り後のヨーグルト200gをフィリングに使用)
2)バターは室温でやわらかくしておき、型にバター(分量外)を塗り、小麦粉(分量外)をふりかけておく。オーブンを200℃に温めておく。
3)やわらかくなったバターに砂糖を加えよく混ぜ、白っぽくなったら、溶いた卵を少しずつ加え混ぜ、ふるいにかけた小麦粉とベーキングパウダーを加え、ゴムベラでよく混ぜる。
4)3)を、バターを塗った型に均一に押し広げる。
5)ブルーベリーを4)に全体的に広げ、フィリングのブルーベリー以外の材料をかき混ぜ、ブルーベリーの上に均一にかける。
6)200℃に温まったオーブンで約30分焼いたらできあがり!
※冷凍のベリーを使う場合は5~10分ほど長めに焼く。
※※タルト生地が茶色く色づいたら温度を下げるなどして焦がさないようにする。