サンタクロース村<サンタクロースからの手紙>

サンタクロース村通信

街から街へ渡りゆく移動式遊園地「スオメン・ティヴォリ」

サンタクロース村メールマガジン読者の皆様、Moi(こんにちは)!フィンランド在住ライターの靴家さちこと申します。フィンランドではヘルシンキから35キロ北にあるトゥースラに、夫と11歳と6歳の息子達と暮らしています。ご縁があって、サンタクロースの国フィンランドから旬な話題を発信させていただいております。

今回のテーマは、Suomentivoli(スオメン・ティヴォリ)、フィンランド最大の移動式遊園地についてです。

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「移動式」というからには、観覧車もジェットコースターも回転木馬も、全て組み立てては解体してトレーラーで街から街まで運んでは期間限定で開催します。デンマークのコペンハーゲンにあるチボリ公園とは世界最古の遊園地のことですが、そちらは固定。こちらは“スオメン(=フィンランドの)”ティヴォリですので、よろしくお願いします。

私がこの遊園地と縁を持ったのは、日本から移住してすぐの2004年から2012年まで住んでいたケラヴァ。1888年に誕生したティヴォリが初めに拠点とした町です。当時はマンション住まいで、裏の空き地に赤いトレーラーがいくつも押し寄せて来て、みるみるまに様々なアトラクションや乗り物が建てられました。その様子をぼんやりと眺めつつも、ある朝起きると、4階の部屋のベランダからすぐ目の前が観覧車になっていた時には心底おどろいたものです。

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当時まだ1歳2か月だった長男をベビーカーに乗せて街に出てみると、メインストリートに交通規制がかかっていて、そこにまではみ出して乗り物やアトラクションに、マーケットまでが展開されているではないですか。この「私の街が遊園地になった!」という生まれて初めての感覚は、フィンランドに住んで10年が過ぎようとしている今日でも忘れることができません。

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さてこのティヴォリですが、現在巡回しているのは、ヤルベンパー、ユヴァスキュラ、コッコラ、オウル、ロヴァニエミ、トルニオ、ケミ、カヤーニ、ヨエンスー、クオピオ、ラハティとケラヴァの12都市。ご覧の通りヘルシンキには立ち寄ることが無いので、ヘルシンキっ子には未知の世界です。そして開催されるのが4月の上旬からで終わるのが9月の上旬、わずか半年です。ほとほと、フィンランドの遊園地日和のお天気は一年の半分だけということを思い知らされますね。

それはさておき、ティヴォリにはどのような乗り物やアトラクションがあるのかというと、まず街全体を見下ろせる観覧車、黄緑色の毛虫の形をしたジェットコースターにゴーカート、ぐるぐる回り続けるUFOやお化け屋敷に、カルーセルなどがあります。ここまで聞くと、どこの遊園地とも変わらず、乗り物酔いしやすい大人にとってはちょっと苦しい印象を与えるかもしれません。ところがところが、このティヴォリには、なんと1歳以上の子どもが一人ででも乗れる乗り物が10個ほどもあるのです。そんなわけで、長男の遊園地デビューは思ったよりも早く、2歳を迎える前にはゆったりと小さく回るテントウムシの乗り物や、小さなかぼちゃの形の観覧車に、ミニF1サーキットを体験しました。彼の当時のお気に入りはミニF1で、今では次男がまだ乗れないUFOに一人で行っては得意気です。次男のお気に入りは、ポンプリンナという、日本ではショッピングモールの有料の遊び場にあるような、ビニール製のお城。時間制ではなく、込み具合をみて係員が出入りを指示するので、ここに入ったらなかなか出て来てくれません。

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兄弟二人で喜んで出かけるのは、毛虫のジェットコースターと、高さ12メートルのタワー滑り台。この高さと言ったら、見上げるだけで目がクラクラします。長男がまだ小さかった頃に何度かお付き合いしたのですが、すべり終わった後に、にわかに立ち上がれないくらいに目がクラクラしたことを覚えています。もう二度と行くことは無いでしょう。それにしても、これだけ多くの乗り物に子ども達が一人で行ってくれるので、我が身を犠牲にせずとも子ども達の喜びに満ちた顔が見られるこのティヴォリ。すっかり気に入った私は、ほぼ毎年子ども達と足を運びます。

ケラヴァ出身の夫には、子どもの頃からあった別に珍しくも無いものらしく、あまり一緒には来てくれませんが、夫のお勧めは缶投げやくじ引きに魚釣り、それからボールを点数が付いた穴に目がけて転がし投げるスキーボールなどのアーケードゲームです。長男も好きなので、必ず缶投げだけには挑戦するのですが、積み立てられたブリキの缶といい、懐かしい手触りにお手玉といい、ちょっとノスタルジックな気分が味わえます。当たった缶の数に応じてもらえる賞品のガラクタ……もとい、おもちゃを抱えると「これを家のどこに置けばいいのか」と現実に引き戻されますが。

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こんな風に、屋台のソーセージや綿あめに、ワッフルやソフトクリームを食べながら一日遊べばおちょっとしたお祭り気分。ではありますが、一日券が30ユーロ×2人分に、ゲーム用の10回券も買って私まで一緒に遊んでしまうとプラス31ユーロで合計91ユーロナリ。さらに屋台でいろいろ食べたりした分も加算すれば、瞬く間に100ユーロ(=1万3千700円)を越えてしまいます。毎年、家に帰ってから改めてお財布の中を見て軽く冷や汗をかくのですが、まぁ、年に一度のことですのでいいことにしましょう。

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