サンタクロース村<サンタクロースからの手紙>

サンタクロース村通信

教えてフィンランド!~小学校編~

靴家さちこ

 サンタクロース村メルマガ読者の皆様、Moi!フィンランド在住ライターの靴家さちこです。突然ですが、フィンランドでは学校の夏休みは6月で、新学期は8月に始まるということをご存じでしたか?9月では無いのです。職場の夏休みは7月がハイシーズンで、多くの従業員が4週間のコテージや旅行を楽しみます。8月1日から保育園の再開と同時に職場の通常稼働が始まる頃には6月下旬に白夜でピークを迎えていた日照時間も減り、涼しいというより肌寒い日も増えてきて、ずいぶん秋らしくなります。続いて8月の中旬に学校も再開、新学期が始まります。

というわけで、今回は、Back Toスクール!フィンランドの小学校生活についてお伝えします。

まず、日本で学校といえば子ども達の一番の楽しみは授業より「給食」、だったりしますよね。フィンランドの子ども達もそうなのかなと思って見ていると、やはりそうみたいです。フィンランドの教育関連の取材や通訳で小学校を訪問する際、子ども達にも「フィンランドの学校の良いところは何ですか?」ときくのですが、頬を赤らめて「給食がおいしいです」と答える子が多いので。

人気のメニューは、マカロニラーティッコ(マカロニのキャセロール、あっさりしたグラタンのようなもの)、ピナーッティレットゥ(ほうれん草のクレープ)やリハプッラ(ミートボール)などです。

フィンランドの小中学校の給食は、大きな食堂でビュッフェスタイルで各自食べられる分だけ盛り付けていただきます。食堂には「野菜1/2、炭水化物1/4、たんぱく質1/4」とバランスの良い盛り付け例のポスターが張ってあるのですが、野菜、もう少し頑張って食べて欲しいなという子どもを多く見かけます。先生は、低学年の子ども達のお皿には気を配り、極端に少ない量だったり、偏食をしている子は、「もう一口だけ」とか「味見してごらんなさい」と促します。

給食はセンターからの配給を温めるだけのところもあれば、給食室で作るところもあります。給食のおばさん達は、調理やビュッフェや食器の補充で忙しく動き回っており、食器を下げるときに近くにいれば「Kiitos(ありがとう)!」とお礼をいいます。おばさんが転職したり退職する時に、お礼にお手紙を書いたり、最後の勤務日に拍手で送りだす風習もあります。おばさんは泣いてしまうこともあるのだそうですよ。

日本にも、授業の中では「体育」が一番好きな子どももいますよね。フィンランドもです。フィンランドの体育の授業は、体育着は特になく、動きやすい恰好で学校に行けばいいだけです。汗をかきやすい季節には着替えも持って行きますが、体育館で裸足の授業がある時には足を洗った後にふくタオルを、体育館履きが必要な時には持ってくるように指示があります。水水泳は、市営プールを順番で借りているので、1~2年に一度、一週間まとめて水泳の授業があったり、同じような要領で、アイススケートやスキーの授業もあります。勉強のための道具となると、鉛筆からノートまで学校から提供されるのですが、スキーやスケートとなると予備が少ないので、新品で買えない人は中古品をネットオークションで手に入れるなど、工夫が必要です。フィンランド人は学校教育は無料であるべき、という強いポリシーを持っているため、この問題はしばしばニュースでも取り上げられます。

音楽の授業では、さまざまな楽器に触れますが、一つだけ学校から無償で提供、もしくは自前で購入するものがあります。それはなんと、縦笛で、日本のYAMAHAのものが定番です。縦笛指導は小学3年生から始まり、卒業するまで続きます。家で練習したり、先生やクラスの全員の前で発表する機会もテストもあり、日本のものとあまり違いはありません。

私が個人的にフィンランドの学校で気に入っている点は、まず、持ち物が少ないことです。重たいランドセルではなく、リュックサックには体育着、体育館履きと縦笛ぐらいが追加で入る程度です。宿題が無ければ、その教科のノートも教科書も学校に置いてきてもいいので、非常に身軽です。スケートやスキーの日は大荷物ですが。

日本の小学生の持ち物との大きな違いにはスマートフォンがあります。8割以上の家が共働きですし、通学中の身の安全については学校の責任の管轄外になるので、安全のためにも子どもには携帯電話は必ず持たせておくべきなのです。

違いといえば、時間割も日本のものとはずいぶん違います。始業時間も終業時間も毎日違い、授業時間も3年生までは半日ほど、4年生以上の高学年になってやっと一日4~6時限になります。さらに掃除も清掃業者がするため、掃除の時間が無い分だけ、子ども達は早く家に帰ってきます。私は長男が就業するまで、始業時間が毎日違うということは知らなかったので、慣れないうちは大変でした。

秋学期(8月~1月)と春学期(1月~6月)で時間割が変わるところもありますし、農業従事者が多い田舎では、早朝から働く親が多い為、毎朝8時に始業と決まっているところもあります。やがて次男が就学し、長男が中学生になると4学期制になり、年に4回時間割が変わると、もう息子たちの時間割が頭に入って来なくてパーン☆とはじけてしまった時もあります。

この時間割は学校視察の通訳アテンドの時に、日本の教育関係者の皆様に必ず教室に貼ってあるものを見ていただいているのですが、たいていの方が驚かれます。

それより何より、さっと教室を見渡して一クラスの人数が15~25人という、少人数制であることには、どなたもうなづいて行かれます。先生とアシスタント一人で十分目が行き届くこの学級規模は、いじめを防止し、クラスをやさしくまとめるので、私もお勧めです。

ああ、でもこうして学校のお話をしていると、また子ども達の新学期のことで、現実が押し寄せてきますね!それではみなさん、Hyvää loppukesää (ヒュヴァー・ロップケサー=よい夏の終わりを) !

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