サンタクロース村<サンタクロースからの手紙>

サンタクロース村通信

教えてフィンランド!~フィンランドの風邪予防術〜

靴家さちこ

 サンタクロース村メルマガ読者の皆様、Moi!フィンランド在住ライターの靴家さちこです。長らくご無沙汰しておりました。今年は「教えてフィンランド!」をテーマに、フィンランドと日本のお国柄の違いや風習を楽しんでいただけたらと思います。

2020年初めの投稿は、フィンランドの風邪予防についてお届けします。こちらでも年明けからコロナウィルスのニュースが続く毎日ですが、今冬は首都圏の南部ではほとんど雪が降らない暖冬でもありました。どんより曇ったり雨降りの11月のようなお天気が2月まで続き、やっと最近見られるようになった太陽のありがたいことといったら!日照時間も伸びて、日没は18時半ぐらいになりました。

コロナウィルスで手洗いの重要性が叫ばれる昨今、フィンランドでも手洗い習慣が定着し、殺菌ジェルの使用も増えました。今年でフィンランド在住16年、息子たちの友達がうちに遊びに来るようになってから、改めてフィンランド人の手洗い文化を垣間見るようになったわけですが、手洗いうがいは、フィンランド人と比べると日本の人の方がちゃんとしています。私がリマインドしたり、息子が洗面所を促せば洗いますが、何もいわないとそのまま靴と外套を脱いで部屋に直行する子どもは少なくありません。大人もです。うがいともなると、大人でもやり方すら知らない人も。

マスクは2000年初頭に私が居た日本の職場では、出張に来たフィンランド人がとても不思議がっていましたが、本当にフィンランド人ってマスクを使いません。マスクは咳やくしゃみをしたときの飛散防止だけでなく、喉の痛みや咳を和らげる効果もあるのに、そこを力説しても「変なの」という顔をされるだけでした。マスクは医療用品なので薬局での取り扱いになるのですが、普段は売り場にさえ陳列しておらず、店員に在庫を出してもらって買います。コロナの影響で2月中旬からマスクの入手が難しくなりましたが、外国人や移民、海外旅行に出かける人がこぞって買っていた様子で、未だに街中でマスク姿を見ることは珍しいです。

フィンランドはセントラルヒーティングで家の中が暖かいので、冬でもセーターをもこもこと着こむ必要はなく、コットンシャツやTシャツの人で過ごす人もいます。それは素晴らしいことなのですが、乾燥が激しく、洗濯ものは屋内干しするものなのですが、これが夜干して朝カラカラに乾いているという……これもまた素晴らしいことなのですが、肌やのどが乾燥に弱い人にとっては恐ろしい事です。十数年前は日本から移り住んで来た人達が「フィンランドには加湿器がないの?」と驚いていたものですが、いつの間にか普及して、見つけるのに苦労しないアイテムになりました。

それにしても、長ネギを首に巻くとか、にんにくを焼いて食べるとか、日本でおなじみの風邪の予防策はフィンランドではあまり見たことはありません。普段はコーヒーを飲む人が急に「喉が痛いから今日はお茶にする」というのは聞きますし、そこに生姜やレモンや蜂蜜も加える人は賢いです。ビタミンCの摂取は重要視されているので、オレンジの3倍といわれるカシス(クロスグリ)の濃縮ジュースをお湯で割って飲む予防法もありますが、これぐらいでしょうか。

この温かいジュース同様、カシスやレモン味の、お湯で割る粉末の風邪薬もありますが、もう少し味も美味しいと嬉しいですね。一度買って試してみましたが、二度目はありません。咳止め薬に関しては、最近違うフレーバーのものも出ていますが、「世界一不味いキャンディー」として名高いフィンランド名物のサルミアッキのフレーバーですから、殺人的です。咳は確かに止まりますが、ショック療法なのかもしれません。

子どもが風邪を引いても、鼻水程度なら普通に外遊びをさせます。フィンランド人の元夫は子どもが咳をしたら夜も靴下をはかせて寝かせて、熱が出れば夜7時には寝かせるというやり方でした。熱が出れば入浴は控えるところまでは日本と同じなのですが、何日かして汗臭くなったら冷たいシャワーでスッキリしてきなさいと子どもに指示した時には、異文化過ぎてついていけませんでした。風邪で食欲がない時の食事もソーセージを子どもに出してしまうし、自分でも食べられるという。フィンランド人の食欲はたくましいですね。

風邪に関しては熱心に予防をする姿勢は、フィンランド人にはあまりみられません。ウィルスを自然なものとして受け入れ、ひいてしまったら休めばいい。保育園は37度以上の熱がある子どもは登園させられません。高熱があるとき、解熱剤を子どもに投与することには慎重な人が多いですが、大人はブラナ(イブプロフェン系の鎮痛解熱剤)を飲んで寝るに限る、といわれてます。潔く降参、という感じで。

秋冬の風邪のシーズンにはバタバタと病休がでて、ちょっと咳をしていた人が翌日にはお休みで来ないという感じです。日本に住んでいた頃には、風邪を引いても休まないのが当たり前のように感じていましたが、フィンランドで暮らすようになってからはマスク文化が無いので、移されたら迷惑だなぁと感じるようになりました。

フィンランド語にもSISUという根性に相当する言葉があるのですが、この意識が強い人は酷い咳をしたり、声を失いながらも職場や学校に現れます。今コロナ対策で風邪の症状がある人は職場に来てはならないことになっていますが、医療、福祉関係者は人手が足りないのでマスク着用が義務付けられています。息苦しいといって外しながら使っている人もいるのですが、是非がんばって慣れていっていただきたいと思います。Tsuenpi(ツェンピ=がんばれ)!

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