サンタクロース村<サンタクロースからの手紙>

サンタクロース村通信

「旅のQ&A」トラムを乗りこなそう!    


 靴家さちこ

ヘルシンキ市民の足、トラム。フィンランドに来たら是非これを乗りこなしてみたい。

ヘルシンキ市民の足、トラム。フィンランドに来たら是非これを乗りこなしてみたい。

サンタクロース村メルマガ読者の皆様、Moi!フィンランド在住ライターの靴家さちこです。フィンランド語では「草の月」と呼ばれる7月でも、フィンランドでは降ったりやんだりの雨と肌寒い日が続きました。一年の中で最高の季節の夏に太陽がみえないというのは、フィンランド人にとって精神的に厳しいものがありますが、ベリーやきのこは大豊作。こうなるともう、「食べてしまえ!」と開き直るのが正解です。そんなフィンランドに、間もなくお盆休みを利用して旅する読者の皆様もいらっしゃるかと拝察しますので、今回は「旅のQ&A」、ヘルシンキ市内の主要な交通手段であるトラムのご案内をします。

Q1:トラムって何?

トラムとは、フィンランド語でRaitiovaunu(ライティオヴァウヌ)またはRatikka(ラティッカ)と呼ばれる2~3両編成の路面電車のことです。路線には1~10番までがあり、終点や循環の向きによってT やAやBなどのアルファベットでより細かく分類されます。路面電車にはレトロな旧式のものと、バリアフリーの新型車両があり、いずれも緑を基調としたヘルシンキの街並みにぴったりのデザイン。期間限定で各種企業の広告が塗装されたものもあり、人気ブランドmarimekko(マリメッコ)のトラムがお目見えすることもあります。また、バートラムと呼ばれるお酒が飲めるトラムもありますが、お座敷列車のように団体予約するものなので、いきなり個人では乗せてもらえませんので、ご了承ください。

 Q2:トラムを利用するメリットは?

ヘルシンキはロンドンなどの大都市と比べると、とてもコンパクトな街なので、実は公共交通機関をフル活用しなくても、なんとか周れてしまいます。が、ショッピングをすれば荷物は増えますし、天気の悪い日に外を歩くのはつらいです。この市民の足を便利に使いこなせば、住んでいるような気分も味わえますし、乗り物好きのお子さんにも喜ばれます。さらに最大のメリットは、ベビーカーで移動中のお子さん連れの皆さん。ベビーカーの子ども連れの大人一人分の交通費はなんと無料なのです。

港町カタヤノッカ地区を走る緑のトラム。街の自然に溶け込んでいる

港町カタヤノッカ地区を走る緑のトラム。街の自然に溶け込んでいる

子ども達も大好きなトラム。ちょっとした遠足気分が味わえます

子ども達も大好きなトラム。ちょっとした遠足気分が味わえます

激しい雨や風、あるいはこんな樹氷でキンキンに冷えた日などはトラムがありがたい交通手段です。大雪の日には、遅延が出ることもあります。

激しい雨や風、あるいはこんな樹氷でキンキンに冷えた日などはトラムがありがたい交通手段です。大雪の日には、遅延が出ることもあります。

Q3:トラムの乗り方

トラムは、HSL(Helsinki Seudun Liikenne)という公共交通グループに属します。切符はこのHSLの自動販売機から買い求めることができます。切符の自動販売機は、Kamppi(カンッピ)ショッピングセンターの中や、Sokos(ソコス)デパートやヘルシンキ中央駅の前など、利用者が多い停留所に設置してあります。

Kertalippu(ケルタリップ)、あるいは英語でSingle ticketと呼ばれる一回券は、ヘルシンキ市内では60分間、何回でも乗り降りや乗り換えすることができます。7歳未満は無料ですが、7~16歳は半額の子供用のチケットを購入します。また、ヘルシンキ市内用の大人の一回券は、車内で運転手から直接買う場合は3.2ユーロですが、自動券売機では2.5ユーロで購入できます。60分の乗車では足りなさそうであれば、券売機には4.3ユーロの2時間チケットというのもあります。また、券売機で一回券を買う場合、購入した時の時間が有効期限の開始時刻になりますので、乗る直前に購入することをお勧めします。

券売機以外でも、もし現地で通話可能な携帯電話があれば、SMSで16355番宛てに「A1」と書いたショートメッセージを送信すれば、2.6ユーロでeチケットが購入できます(プリペイド携帯なら残金から課金、後日請求の場合はそこに加算)。eチケットとは、HSLから自動返信で送られてくるショートメッセージのことで、そこに有効期限が書かれています。

トラムでは車掌が巡回して切符の確認はしませんが、濃紺の制服を着た検査員の集団が切符の抜き打ち検査をしに乗車してくることがあります。不正乗車をした人には身分証明書を提示の上、80ユーロの罰金が課せられます。切符の紛失や、期限切れに気が付かなかったなどといった理由でも、不正乗車とみなされますのでご注意ください。

カンピショッピングセンター内の自動券売機。英語での案内も表示され、使い方も簡単

カンピショッピングセンター内の自動券売機。英語での案内も表示され、使い方も簡単

Q4:どの路線に乗るべきか?

ヘルシンキのトラムと言えば、映画『かもめ食堂』で片桐はいりさんが乗っているシーンが有名ですね。撮影当時3B、3T番だったその路線は、現在では2番と3番に番号がふりなおされ、環状線ではなく8の字に市内を巡るようになりました。それでもこの路線は、迷ってもそのまま乗り続ければ、必ずヘルシンキ中央駅に戻ってこれるので心強いです。その他、市内観光で良く使う路線には、アアルトの自邸に向かう4か4T番、青空市場があるハカニエミや、ヴィンテージの掘り出し物が見つかるヒエタラハティのマーケット広場にも向かう6番、アラビアファクトリーに向かう6か8番、マンネルヘイム通りを抜けてデザイン美術館に向かう10番などがあります。

トラムの運行間隔は路線によりけりですが、およそ5~12分間隔です。ほとんどの停留所では、遅延状況や次のトラムが何分後に来るかを表示する小さな電光掲示板がついています。

乗るべきトラムが停留所に止まったら、最寄りのドアの開ボタンを押して乗りましょう。乗車券を買う必要があれば、運転席がある最前扉から乗ります。車内の電光掲示板には、路線名と次の停車駅名がフィンランド語、スウェーデン語の順番に表示されるので、降車前に赤いボタンを押して知らせます。トラムが止まったら、最寄りのドアの開ボタンを押して降りましょう。ベビーカーの赤ちゃん連れで旧式トラムを利用する際には、赤ちゃんは乗せたままで、ベビーカーがドアの外を向いた状態で、上の人がハンドルを持ち、下の人が座席部分を持って乗り降りします。

ドアの外には扉の開ボタンがついています。昇降に時間がかかることが運転手にもわかるよう、車椅子やベビーカー用の開ボタンもあります

ドアの外には扉の開ボタンがついています。昇降に時間がかかることが運転手にもわかるよう、車椅子やベビーカー用の開ボタンもあります

車高が低く、スタイリッシュな新型車両のトラム

車高が低く、スタイリッシュな新型車両のトラム

Q5:これであなたもプロ

トラムのみならず、地下鉄・バス・近郊列車・スオメンリンナ行き市営フェリーなども含む公営交通機関を利用しての、現在地から次の目的地までのルート検索には、HSLの公式検索サイトがとても便利です。出発地と目的地、予定時間を入力すれば、候補ルートや乗り換え案内、詳細地図までが一発検索できます。地名の入力には、住所や主要な施設名だけでも検索することができます。

もし、1日に4~5回以上何らかの交通機関を利用することになりそうであれば、乗り降り乗換自由で乗り放題のデイ・チケット(Vuorokausilippu:ヴオロカウシリップ/Day ticket)の購入をお勧めします。デイ・チケットは、1日(24時間)から最大7日間利用できるチケットがあり、ヘルシンキ市内限定から郊外も含むものと、カバーするエリアによっても値段が変わります。例えば、ヘルシンキ市内限定チケットの場合、1日券が8ユーロ、7日券だと32ユーロと、長期に渡って利用すればするほど割安になります。

デイ・チケットには紙券とICカードがあり、紙券は、主要停留所や地下鉄駅の青い自動券売機で買えます。ICカードは、フィンランドで全国展開している「R-kioski(アール・キオスキ)」というコンビニエンスストアや、旅行案内所などで購入することができます。紙券には、購入時からの有効期限が印字されています。ICカードの場合、初回の乗車時に、読み取り機で有効期限をインプットさせます。カードが認識されたらピッと音が鳴り、上の画面に有効期限が表示されます。2回目以降の乗車時には、特にカードをかざす必要はありませんが、読み取り機にかざすとその都度、有効期限の確認をすることができます。最初のこのインプットを忘れてしまうと、検査員に不正乗車と見なされてしまうのでご注意ください。

そして最後に、もしヘルシンキ滞在中に、美術館、博物館巡りをするのなら、各種主要観光名所のチケットも全て込みの「ヘルシンキカード」が大変お得です。大人は一日41ユーロからで、オンラインで事前購入すると3ユーロ割引が付きます!それでは皆様、良い旅を!Hyvää matkaa(ヒュヴァー・マトゥカー)!

おしゃれなデザイン・ディストリクト(地区)を走り抜けるトラム。自在に乗りこなせば、ちょっと住んでいる気分?(画像提供:Visit Helsinki)

おしゃれなデザイン・ディストリクト(地区)を走り抜けるトラム。自在に乗りこなせば、ちょっと住んでいる気分?

(画像提供:Visit Helsinki)


【参考URL】

■HSL公式(英語版)https://www.hsl.fi/en ルート検索

■HSL公式(英語版)https://www.hsl.fi/en/tickets-and-fares 料金表

■HSL公式https://www.hsl.fi/en/timetables-and-routes/routemaps MAP

■ヘルシンキカード公式(英語版)http://www.helsinkicard.com/


 

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